2011年2月5日土曜日

モノのパフォーマンス(効果)、つまり魅力と価値の関係をどう考えるのか?


よく講演会などで、「デザインでの価値創造」や「ブランド価値」を話す中で、商品の価値の話をする。あくまでも個人的な見解と比喩だが、商品価値には大きく分けると2つに分類でき「ワイン型の商品価値」と「牛乳型の商品価値」に分けてみるという仮説。ワインは、安くて500円ぐらいから、高いもので1本何千万円するものまである。価格差が広い商品といえる。一方で牛乳は、そう価格差がない。そう考えると、モノには価値創造をしやすいモノと、しにくいモノに大きく分けられてしまう。いまの世の中は、それぞれの消費者が認める価値と価格が混沌としているのではないかと思う。






















その人が持っているモノは、いわば分身。つまり人は、それぞれの考え方でモノの価値を判断しながら、それに見合う価格を払っている。ワイン型と牛乳型。これと同じように、モノの魅力や価値、すなわちパフォーマンスも二分して考えてみよう。ひとつは「物理的パフォーマンス」、もうひとつは 「心理的パフォーマンス」というキーワードだ。物理的パフォーマンスというのは、モノがどんな機能を持ち、どんな働きをするかを指す。たとえばクルマ。キーを回せばエンジンがかかり、アクセルを踏めば動き出す。1リットルのガソリンで十数キロを走れる。いわば、カタログの数値で比較検討できるパ フォーマンスである。一方の心理的パフォーマンスというのは、モノを持つとその先にどんな楽しみが待っているかを考えられる素質だ。かつてミニバンがよく売れた。これはクルマの物理的パフォーマンスだけではなく、買った後にどんな生活が待っているかを想像できたからだ。家族が居る男性だったら、荷物を乗せてバーベキューに出かける自分達の姿を想像してミニバンを選んだのではないだろうか。

いま日本は停滞気味だ。経済状況だけでなく、環境問題など、さまざまな問題が生活の中に存在する。そんな時代こそ、モノがもつ心理的パフォーマンスは大切だと思う。自分がその商品を買うことで、どんな新しい生活が待っているのか。そして生活を大きく変えてくれるものが、パ フォーマンスに富んだモノだと思う。たとえ景気が悪くても、そのようなモノであれば人々に欲しいと思ってもらえるだろう。

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