2014年12月14日日曜日

「ザ・ブランド 世紀を越えた起業家たちのブランド戦略」は6人の筋金入りのアントレプレナーが創り上げたブランドのドラマ

良く取材でお気に入りの書籍は?という質問がある。その中で必ずあげるのが「ザ・ブランド 世紀を越えた起業家たちのブランド戦略」タイトルを見るとB to B的な堅苦しい印象があるが、実に読みやすく感動的な人間ドラマだ。

この書籍で取り上げられた6人の筋金入りのアントレプレナーが創り上げたブランドは、英国陶器「ウェッジウッド」、加工食品「ハインツ」、百貨店「マーシャルフィールズ」、美容「エスティ・ローダー」、コーヒーチェーン「スターバックス」、そしてコンピューター「デル」。「スターバックス」を除く5社は創業者の名を社名とし、卓越したブランド戦略によって世界的地位を築き上げた企業だ。












どれも素晴らしい話だが、特に「ハインツ」の創業者が記憶に残る。1876年にアメリカ合衆国で創業した世界流通・販売量世界第1位のトマトケチャップで有名なあの巨大企業。ヘンリー・ジョン・ハインツが台所でトマトの水煮を作り、瓶に詰めて近所に売るところから始まるのだが、時代が彼に味方した。

蒸気機関車が走り出し、遠くまで商品を売りに行ける。遠くまでトマトを仕入れに行ける。交通インフラのイノベーションの恩恵を最大に享受した。そればかりでなく保存のイノベーション、缶詰という技術が誕生し、商品在庫を長く保存できるようになった。おそらくこの二つのイノベーションに遭遇しなければ「ハインツ」の成功はなかっただろう。










「ブランド」とは、裸一貫の起業家が、自らの自信と誇り、商品・サービスの優位性を消費者に知らしめるべく活用したマーケティングツール。ブランド戦略を軸に社会や消費者に向けられた行動に焦点を当てた。激しく移ろいゆく時代を舞台に6人の起業家はいかに消費者と対峙し事業を展開したか。起業家たちの人間像までもが浮き彫りになる。そうした意味で、本書は産業小史でもあり、良質な伝記でもある。
アマゾンの書評を参照一部引用。


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