2015年6月8日月曜日

真剣勝負の中で得た「実戦知」「誰が電通人をつくるのか」白土謙二 最終講演のサマリーを作った。それにしても白土謙二さんの話しはためになりすぎる。

















今日は「誰が電通人をつくるのか」というテーマで、僕がどういう人たちと出会うことで成長してきたのかをお話しします。と言う言葉から始まる講演録。

確かアーティストのナムジュンパイクが京都賞を受賞したときに、受賞スピーチで、「いままで影響を受けてきた人たちの名前だけを、ひたすら言い続けた」というエピソードが残っている。そのときにこの賞の主催者である京セラの稲森さんが激怒したという話しを聞いたことがある。

白土謙二さんのこれまで出会ってきたプロフェッショナルな人たちを挙げながら何を学んだのかという丁寧なスピーチは最終講演にふさわしい。いつか私も影響を受けた人たちの話をしてみたい。それにしても白土謙二さんの話しはためになりすぎる。













[白土謙二 最終講演のサマリー]
プロフェッショナルな人たちは、いいかげんなことは決して許さない。そんな彼らとの真剣勝負で獲得した「実戦知」(仕事の現場から得た知見)が、パワーとなり、僕を育ててくれたのだと思っています。

優れた企画書をお手本に——基礎をつくってくれた師匠たち優れたものをそっくりまねることは基本中の基本だと思います。

「矛盾を突破するのがクリエイティブだ。それができないヤツにクリエイターを名乗る資格はない」と言われました。















正直に向き合い信頼を築く——クライアントとの真剣勝負

「あの人たちは、ひどいと言われた時に一言も言い訳をせずに認めた。すごく信用できる人たちだ」と言われたそうです。僕は会長に「急落した収益を数年で5000億円まで盛り返すとおっしゃられているが、それは無理だと思う」と切り出して、その理由を話しました。そして大まかな戦略や具体的な計画を話したところ、その会長は僕をコンサルタントとして副社長待遇で招き入れてくださいました。

成果を上げられなかった原因を分析して、50ページぐらいのレポートを提出しました。僕の責任も、僕の責任でないものも入れました。

電通の吉田秀雄社長は、「本質を知れ」という講演を幹部会で営業に向けてした時の記録です。その中で、「電通の社員同士がクリエイティビティーについて議論しなくなったら、この会社は衰退する」と言った。

彼は「ドアさえ開けてもらえば、自分が本当の悩みを聞き出して、後はなんとかします」と言うんです。電通は営業の会社であり、営業は優れたプロデューサーだと思っています。それも、社会をどう見て、どういうテーマで誰に何をやってもらえばいいかを全部決めていくゼネラルプロデューサーです。長い時間軸で考えられて、視野が広く、深い経験値を積んでいける人。
永井一史























知的好奇心とチャレンジ精神が原動力になる
永井さんが私との対談の最中に、「白土さんは完璧に博報堂です。明日転職してきても何の違和感もなく仕事ができますよ」と言われたんです。僕の企画書の型のベースのひとつには、確かに博報堂の企画書があり、僕は“ひとり博報堂”をずっと自称してきたほどです。
http://www.jidp.or.jp/dn/ja/article/20120329/124

博報堂はマーケティングとクリエイティブがチームで動きますが、僕はそれをひとりでやっているという意味です。型があるからプロなんです。亡くなった歌舞伎俳優の十代目坂東三津五郎さんが言っていました。「歌舞伎は伝統芸能ではない。伝承芸能だ」と。伝統的な型を身につけ、それを乗り越えて型を破り、そしてそれらをまた受け継いでいく。それがプロなのです。

クライアントが僕に色々な要求を出すんです。僕はそれを真面目に聞いてメモをとります。でも、試写を見ると全然直っていない。クライアントが「白土さんは謙虚だけど、要求したことを何もやってくれないんだよね」とその方にこぼしたんです。そしたら、「だからガンジーだって言ったでしょう。無抵抗だけど服従はしないんですよ」

入社以来一度も社章をつけてクライアントに伺ったことがないという話をしました。「自分は普段から御社の商品を買いますし、他社とも比較します。常にふつうのお客さまの代表としてクライアントを訪ねているつもりなので社章はつけないのだ」と説明しました。

どんなに偉大な会長や、神様みたいな社長でも、お客さまには勝てません。「私はお客です」と言えば、私に「ふざけるな!」と言える社長はひとりもいないはずです。






















「もっと自分のアタマとコトバで考えろ」ということです。著者が正しいことを書いているとは限らない。まずは疑って、そこから自分のアタマとコトバでよく考え、実際に試してみて本当に良かったことだけ取り入れることを教わりました。

どんなに素晴らしい教えでも、自分で試してみて、良いと思ったものだけを「実戦知」として取り入れてきたつもりです。

人と会って、その教えとエネルギーを得て、それを指針にしてやってきました。たくさんの人に会って、物事がなぜそうなっているのか、自分の目で確かめてきました。頼まれもしないのに提案に行くおせっかいもしてきました。それでも僕のエネルギーはまだまだ小さい。多くの先達を見ていると、異能の人というのは、色々なカテゴリーにものすごい知的好奇心を発揮していたなと思います。

たくさんの方々に支えられて、僕は興味があることを思いきりやってこられました。皆が多様なチャレンジをすれば、それはお互いへの知的な刺激となり、もっと面白いことができる会社になっていくはずです。それぞれがひとつのジャンルでいい、知的好奇心やチャレンジする気持ちを忘れないで、頑張っていただきたいと思います。
http://www.advertimes.com/20150605/article192528/



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